石川県は、美しい街づくりに強い関心をもつ地域です。このいしかわ広告景観賞が設定されてから、すでに36年の歴史を重ねています。お陰で、石川地域の屋外広告物には、すくれたデザインが多く見られます。環境に調和しながら、視認性を保っています。その地域にふさわしい素材や色彩、そしてスケール感が快いです。豊かな自然景観と、人々の暮らしが醸す文化景観の調和が誇りです。石川の多様な魅力づくりに繋がっています。
石川県知事賞公共部門は、「浅野川大橋１００周年記念銘板」（金沢市橋場町、東山）の小さな銘板です。金沢ご城下の重要な歴史を物語る橋の銘板です。歴史的ランドマークの品格を有するデザインで、鋳物製の本格的サインであり、色彩も効果的です。知事賞民間部門「マルガーラボ野々市／noto nature art lab.」（野々市市本町）は、白くシンプルな建築デザインと色彩計画及びマークロゴデザイン魅力的です。日中と夜間照明の変化も巧みに計画されています。金沢市長賞「FOR AC 金沢大学付属病院前店」（金沢市石引）の既存の建物を巧みに活用したサインデザインは、優しい美しさが印象的です。白木と白色の組み合わせも清々しい感触を表現しています。石川県屋外広告業協同組合理事長賞「ザ・21世紀青果店のののんのん」（野々市市押野）は、店舗名をそのまま素直にビジュアル化されています。注目される色彩とトマトの形に、親しみとユーモアの演出があり、にっこりする豊かさに湓れています。微笑ましい生活感ある秀作です。
これからも、益々優れたサインデザインの創出を願い、石川の優れた文化景観と自然景観を大切にしていきましょう。屋外広告デザインの発注者、設置者、製造者、デザイナー、技術者、そして地域の人々と共に、審年の作品も、優れたデザイン感性による街並みに良く調和したバランスある秀作が多く美眠を研ぎ澄ませて、見つめていきたいと思います。
審査委員長 大場𠮷美（金沢学院大学名誉教授）
概要
│目的 石川県内の都市景観の向上と屋外広告物に対する県民の関心を高めることを目的とする。
│主催 いしかわ広告景観鑑賞実行委員会（石川県、金沢市、石川県屋外広告業協同組合）
│後援 石川県市長会、石川県町長会、石川県商工会議所連合会、石川県商工会連合会、（公社）石川県観光連盟、（一社）石川県建築士事務所協会、石川県中小企業団体中央会、（公財）石川県デザインセンター、石川県ビジュアルデザイン協会、（公財）いしかわまちづくり技術センター、（一社）日本屋外広告業団体連合会、石川県屋外広告士会（順不同）
│募集対象 過去３年間に石川県内に設置された屋外広告物。但し、はり紙、はり札、立看板等簡易なもの及び法令の規定により設置するものは除く。
